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EUの新医療機器規則(MDR:Medical Device Regulation)が可決 2020年から適用

2017年4月5日、欧州議会は医療機器に関する新規制、EU医療機器規制(MDR)を可決した。新規制は今後、欧州における医療機器の承認に大きな影響を与えるだろう

 

旧規制に比べ新規制の領域は大幅に増加(約100の追加項目と5つの追加付属書)した。3年間の移行期間を経て、適用時期を2020年上半期にすることが合意された。

しかしドイツ医療技術協会(BV-MED)、ドイツ電気電子工業連盟(ZVEI)および医療機器産業団体(Spectaris)は変更点や新項目が多いこと、また技術文書と報告義務が包括的であることから、移行期間が短過ぎるとして批判している。また人材や資金調達に悩む中小企業(SME)への影響も懸念されている。BV-MEDの事務局長兼取締役であるヨアヒム・M・シュミット氏は、中小企業が被る不利益を補填するために、中小企業を支援する国家助成プログラムの構築を目指すとのことだ。さらに業界の諸団体はニッチ製品に関する懸念も表明した。経済性が悪化して、ニッチ製品が市場から姿を消す可能性があるとし、もしそうなれば、結局は患者が犠牲になると医療機器産業団体のSpectarisは指摘している。

一方、中立機関によって市場アクセスの適合性評価を保証するCEマークの維持については歓迎の声が聞かれた。CEマークが維持されることで、メーカーは今後も信頼できるこの適合評価プロセスを引き続き活用できる。

MDRの重要な変更点:

  • クラスIIIの埋め込み医療機器およびクラスIIbの医薬物を投与することを意図した機器に関する「精査手法」
  • 報告期間を短縮した市場監視の新規制
  • 以下の追加報告書と計画書:市販後監視計画/報告(PMS)、市販後臨床フォローアップ報告(PMCF)、定期的安全性最新報告(PSUR)、安全性と臨床的有効性のサマリーレポート(SSCP)
  • 臨床評価などにおける臨床データー作成に関する極めて厳しい要求事項.
  • UDI(固有機器識別子)規制の段階的導入
  • 特定材料及び外科的侵襲性医療機器のより高いクラス分類

医療機器関連企業はなるべく早く業界団体の助言を得て、MDRの新規制の検証を徐々に進め、社内で適切な準備を行うようにとの提言がされている。SpectarisのDr.トビアス・ヴァイラーCEOも、専門知識や経験を持つ業界団体とコンタクトを取ることが重要と語っている。

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