Jump to Navigation Jump to search Jump to Content Jump to Footer

水素自動車は内燃駆動に真に替わるもの 水素充填ステーションでNRW州はドイツトップ

騒音フリー、汚染物質フリーで、しかもガソリンやディーゼルエンジン車両と速度や航続距離が同じ。これがドイツ人が水素自動車を高評価するポイントだ。燃料電池車の航続距離は500 - 700 kmにもおよび、また燃料補給時間はわずか3〜5分。このことからドイツでは、従来の内燃駆動車の真の代替は燃料自動車と考えられている。

故に、6月に発表されたドイツ連邦政府の国家水素戦略やEUの水素技術への投資は、ドイツのドライバーにも高く評価されている。ヨーロッパ最大のオンライン自動車販売サイトAutoscout24のアンケート調査によると、回答した1000人の自動車所有者の3分の2以上が、水素技術への投資決定を支持。反対は4分の1にも満たず、技術的判断は難しいとの理由から13%が無回答だった。

また3分の1が燃料電池車の購入を「反対しない」と回答。ただ、購入の唯一のハードルは依然として「価格」のままで、これは電気自動車と同様である。自動車は「手頃な価格であるべきだから(10%)」との意見が反対する理由で最も多く、次いで2番目に多かったのは「研究が不十分だから(9%)」だった。

これに対し、水素自動車を支持すると回答した人たちは「水素はCO2ニュートラルな交通の重要な構成要素(45%)」と考えており、「(様々な)代替駆動技術への投資自体に賛成(35%)」、あるいは「水素は将来の駆動技術。だから助成金は的確(15%)」と理由を挙げている。

しかし、水素自動車を快適な代替技術として確立するためには、水素ステーションのネットワークを絶えず拡張する必要がある。H2 Mobility社は、エアリキード社、ダイムラー社、リンデ社、OMV社、シェル社、およびトタル社が運営するジョイントベンチャーで、同社はドイツ全土で水素インフラを拡大する責務を負っている。

H2 MOBILITY 社のニコラス・イワン代表は「水素には、あらゆる面で、我々のモビリティを持続可能に変革するポテンシャルがある。どのような大きさの車やバス、トラックや列車であろうとも、水素はエミッションフリーの運転を可能にしてくれるからだ」と語った。実際、バス、トラック、列車の駆動では既に水素が利用されており、実証事例も水素賛成派も数多い。

今後は、2023年までに少なくとも400ヶ所の水素ステーションがドイツで建設される予定だ。 2020年5月、ジョイントベンチャー出資メンバーであるシェル社とエアリキード社は、NRW州で18番目となる水素ステーションをドルトムントに開設した。NRW州は水素インフラ整備で、ドイツ16州のフロントランナー。一方、日本では100ヶ所を超える水素ステーションが既にあることから、ドイツにとっては模範となる協力パートナーと言えよう。

参考資料1  2  3  4  5  6