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東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター ドイツNRW州の関連機関と連携

東北大学は日本でトップレベルの大学であり、3つある指定国立大学のうちのひとつだ。80年前に加齢医学研究所(IDAC)が設立され、現在、その中にスマート・エイジング学際重点研究センター(SARC)が設置されている。

SARCは、特に高齢化社会における最大の健康問題となっている認知症の予防に取り組んでいる。SARCは脳科学分野のコンピテンスを有し、認知症に影響を与える要因との相関関係を分析している。認知症に影響を及ぼす要因には、病気のほかに、食事、社会生活、知的活動、身体活動などの外的要因もある。こういったライフスタイルの要因をモニターすることで、発生しうる問題に対して何らかのヒントが得られる。

東北大学加齢医学研究所(IDAC)で所長を務める川島隆太氏は、任天堂とのデジタル介入型脳トレの共同開発で名を知られる科学者で、同研究所では、実に様々な産業分野の企業との共同プロジェクトが進められている。市場に投入される製品のほとんどが高齢者に関係する製品であるため、プロジェクトパートナーの分野は多岐にわたるという。

このスマート・エイジング学際重点研究センター(SARC)で、昨年5月から特任助教として産学連携プロジェクトの立ち上げを任されているのが、Dr.ローレンツ・グランラート(Lorenz Granrath)である。同氏の日独双方の研究機関での長年にわたる経験が請われたのだ。

日欧共同仮想コーチングシステム(e-VITA)は現在進行中の日欧プロジェクトの中でも重要なプロジェクトのひとつ。日本側のコーディネーターはSARCの瀧靖之教授が、また、欧州側ではジーゲン大学のフォルカー・ヴルフ教授が務め、日・EU合わせて計22のパートナーが高齢者を支援する新技術や手法を研究している。「メイド・イン・ヨーロッパ」の優れた社会技術力と「メイド・イン・ジャパン」の卓越した技術力を組み合わせることで、高齢者のニーズと要望に基づいた革新的なコーチングシステムを誕生させることが期待されている。なお、同プロジェクトは欧州委員会のHorizon 2020プログラム(No.101016453) と総務省 (No.JPJ000595) により助成を受けている。

2021年11月初旬、SARCメンバーはドイツを訪問し、欧州のプロジェクトパートナー等と対面した。最初の訪問先はベルリン。11月5日開催のイベント「サイエンス・ウイーク」に参加し、デジタル医療についてセッションを行った。

その後一行はNRW州へ向かい、多くのe-VITAパートナーを訪ねた。まずジーゲン大学で、ヴィーヒング博士を始め、プロジェクトに携わる研究者と意見交換し、続くデュッセルドルフでは精神生理学研究所(IXP)を訪問。その後アーヘンへ移動し、この分野では最大規模の研究機関であるドイツ神経変性疾患センター(DZNE)を視察。またフラウンホーファー応用情報技術研究所(FIT)では、高齢者向けIT技術に関する講演を聴き、議論を交わした。

そして、続いて訪問したアーヘン工科大学では、高齢者用アプリケーションで重要となるウェアラブル研究で名高い繊維技術研究所(ITA)を視察。また、現地のスタートアップ企業(下記)を訪問できたことは大きな収穫となった。
Eldertech社: 離れて暮らす高齢の両親の見守りコミュニケーション・ツールの開発
DocsInClouds社: アーヘン工科大学病院との連携で遠隔医療ソリューションを提供

ドイツ訪問の最後には、NRW州医療クラスター「Cluster Medicine NRW」を訪ね、クラスターマネージャーのDr.グイダートと会談。東北大学SARCとNRW州の諸機関との連携をサポートすると、大きな援軍を得た。

ドイツと日本は多くの類似点を有し、かつ両国とも高齢化が進む先進国である。そのため、様々な分野で共同プロジェクトを推進することは日独双方にとって有益であろう。パートナーと共に各種プロジェクトを推進できることを楽しみにしている。東北大学のスマート・エイジング学際重点研究センター(SARC)とNRW州の今後の連携プロジェクトに大いに期待したい。

写真上: 東北大学加齢医学研究所(IDAC)とスマート・エイジング学際重点研究センター(SARC)<右側の建物> 
写真中: 研究用脳画像      写真下: NRW州アーヘンのデジタル・ハブ

 

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