Jump to Navigation Jump to search Jump to Content Jump to Footer

日立オートモティブシステムズ、ケルンのソフトウェア開発事業者ゼネオス社(Seneos)を買収

日立オートモティブシステムズ株式会社(HAS)は、ケルンに拠点を置きソフトウェア開発事業を展開するゼネオス社の全株式を取得し、ヨーロッパ市場でのさらなる成長とノウハウの蓄積を目指す。買収の背景には、自動車部門の電動化拡大があるのだろう。ライン川沿いに位置するケルンでは、トヨタや矢崎総業など、日本の大手企業が活躍している。

自動車に搭載される電子機器はより複雑化している。それに伴い、搭載されるシステムを確実に連携させ、かつ簡単な操作性を実現することが求められる。システムメーカーであるHAS社(本社:東京)は、自社のソフトウェア開発能力を強化し、さらには、ゼネオス社がヨーロッパで行っていたサービス業務を、世界中の顧客に提供する意向だ。

ゼネオス社は2007年に設立され、ケルン、シュトゥットガルト、リップシュタット、およびソフィア(ブルガリア)に事業拠点を構えてきた。この度の買収により、HAS社はノウハウ増強だけでなく、欧州自動車業界の幅広い顧客基盤も取得できる。ゼネオス社の顧客には、コンチネンタル社、フォード社、ボッシュ社、ダイムラー社およびポルシェ社など大手企業が名を連ねる。

ゼネオス社は組み込みシステムのソフトウェア、つまり、自動車などより大きなシステムで作動する制御・管理システムの開発とテストに特化した事業を展開してきた。自らもシステム開発企業であるHAS社は、ゼネオス社が培ってきた開発力を生かし、今後、個々の顧客のニーズや地域特性により迅速に対応したビジネスを行っていく。

デジタル化は自動車業界にも大きな影響を与えている。電動化、自動運転、コネクテッドといった機能性はますます重要な役割を果たすようになっている。自動車システムのサプライヤーとして、HAS社はこれら将来性ある分野でのビジネスを拡大する計画だ。そして今回のゼネオス社の買収により、自動車部品に搭載するソフトウェア開発を的確に行うフロントエンドのエンジニアリング能力を強化していく。

NRW州は自動車拠点として、国内外の企業に抜群の環境を提供している。このことは、幅広い車種を生産するフォード工場(ケルン/NRW州)、商用車スプリンターを生産するダイムラー工場(デュッセルドルフ/NRW州)、またゼネオス社のような自動車サプライヤーのビジネスからも一目瞭然だ。

参考資料1  2  3