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在宅勤務のメリット・デメリット調査 NRW州ハーゲン通信大学 

コロナ危機で多くの企業が在宅勤務制度を取り入れた。これにより、企業には新たな管理方法や組織戦略が必要となっている。同時に従業員には、プライベートの領域で仕事をオーガナイズするという課題が突きつけられている。過日、ハーゲン通信大学は、在宅勤務の最適な実施方法、またどのようなメリットとデメリットがあるかについて調査した。

ハーゲン通信大学による調査の一部はコロナ危機の発生前に、そして一部は発生後に行われた。コロナ危機発生前の調査では、約1100人を対象として、従来の就労環境で感じる心理的ストレスに関するアンケートを行い、 その後、3月末の在宅勤務導入後に対象者の838名に対して追加質問を行った。

追加質問では、従業員を在宅勤務ビギナーと、コロナ危機前から定期的に在宅勤務を行っていた経験者に分けた。つまり、ビギナーと定期的な経験者を比較し、在宅勤務という環境変化によって、ビギナーがどのような精神的影響を受けるかを見出すことも調査目的とした。

この調査では「業務管理能力」が高い従業員は、在宅勤務での環境にうまく適応できることが分かった。「業務管理能力」とは、例えば、在宅勤務ではより自由な意志決定が可能で、それを建設的に利用出来るか否か、さらには、同僚が特定の情報や結果を必要とするタイミングを認識する能力、そして自分自身が必要とするタイミングを認識し、それに応じて行動する能力等だ。

この「業務管理能力」はコロナ危機前から重要な能力とされていたが、今後も、コロナ危機に関係なく、デジタル化の進展に伴い、さらに重要度を増すだろう。すでに顕在化していた傾向が、在宅勤務の導入でさらに拍車がかかったことが分かる。これは、他の多くの分野でも見られる現象だ。

また、ルーティン業務と複雑な業務の時間的配分も、重要な調整要素だ。在宅勤務では就労時間だけでなく、同僚とのミーティング、そして家族と過ごす時間などのスケジューリングを早目、かつ明確に決定することがより重要になる。その際、複雑な業務では、できるだけ気を散らさない時間枠を設定し、その一方で、ルーティン業務は疲れ気味で集中力が落ちやすい時間帯を当てがうことも可能だ。

上述の結果からハーゲン通信大学の研究者は、仕事の計画化と緊急度に応じた業務分類を推奨している。これは、出社時よりも在宅勤務で重要性が増す。在宅勤務では超過勤務や、注意散漫で非生産的なリスクが高まる。そのため、可能な限り設定した業務時間を守ることが推奨されている。

また研究者は、在宅勤務での仕事と休息のバランスを取るため「仮想休憩室」の設置を提案している。最新デジタルメディアでは、仮想空間の常設も可能だ。同僚とのちょっとした会話は新しいアイデア、いわゆる「新発見」の瞬間をもたらすだけでなく、一般的な仕事の満足度を上げる効果があると知られている。

ハーゲン通信大学は、1974年にNRW州ハーゲン市に設立されたドイツで最初かつ唯一の公立通信大学。 2019/20年冬学期の学生数は7万6936人で、学士と修士過程があるドイツ最大の大学だ。全学部で博士号と大学教授資格の授与が可能。留学生も含め全学生は、数学・コンピュータサイエンス、文化・社会科学、心理学、経済学および法律の5学部で修学できる。通信学習とデジタルメディア分野で長年の経験を有する同大学は、特にコロナ禍では、あらゆる教育機関の参考となるだろう。ハーゲン通信大学コロナ対応特設ページ

参考資料

 

 

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