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ノーベル化学賞受賞  ベンジャミン・リスト教授はNRW州の石炭研究所長

ドイツのマックス・プランク研究所の研究者が再びノーベル賞受賞の快挙を成し遂げた。今回は化学分野での受賞で、しかもNRW州の研究所だ。

ベンジャミン・リスト教授は、NRW州ミュールハイム・アン・デア・ルールにあるマックス・プランク石炭研究所の研究者で、また所長を務めている。

リスト教授は、高度な立体選択性を持つ有機触媒の開発に初めて成功した。これまで、化学反応を加速させたり、思い通りの方向に誘導させることができるのは、酵素や金属だけだと思われていた。しかし、リスト教授と同僚のデビッド・マクミラン氏は、小さな有機分子も化学反応を媒介する働きがあることを発見したのだ。この研究成果は現在HIV治療薬などの医薬品の製造に使われている。

ストックホルムからノーベル化学賞受賞の連絡が来たとき、リスト教授はアムステルダムのカフェで妻と朝食をとっていたという。思いがけない知らせに驚いた教授はその瞬間を振り返り「感無量の一言。その気持ちは言葉では到底言い表せない。決して忘れることのできない特別な瞬間だった」と声を弾ませた。同氏は研究開発に確信が持てず、自問自答する時もあったという。

ベンジャミン・リスト教授以外にもこの2年間だけで、4人のマックス・プランク協会所属の研究者がノーベル賞を受賞しているのは非常に喜ばしい。同協会のマーティン・ストラットマン会長は「ドイツの科学は今、最盛期を迎えている。このことを誇らしく思う」と、自信を見せた。

これまでの数々の実績により、マックス・プランク協会は世界最高峰の学術研究機関のひとつとして名声を得てきた。同協会が有する84の研究所の内、NRW州には15の研究所があり、同協会にとっての研究開発環境での位置付けの高さがうかがえる。

写真: iStock-1214541841

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