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NOXを除去 初の特殊繊維ファサード アーヘン工科大学繊維技術研究所(ITA)が開発

ハンブルク市のアンドレアス・ドレッセル財務大臣臨席のもと、ハンブルクにあるECE ヨーロッパ建設・プロジェクトマネジメント社のオフィスビルで、最新のNOX除去特殊繊維ファサードが披露された。この革新的なファサードシステムは、アーヘン工科大学とECE社(ハンブルク)、およびInok社(NRW州ヴィリッヒ)が協力し開発された光を通す半透明繊維ファサードだ。なお、2016年、アーヘン工科大学繊維技術研究所(ITA)の建築家Jan Serod氏が大学の研究機関や企業とスタートさせた共同研究が同プロジェクトのベースとなっている。

有害な窒素酸化物(NOおよびNO2)の除去効果は、研究者等の革新的なファサードコーティングにより実現した開発。コーティングが触媒として機能し、紫外線を利用して、空気中にある有害な窒素酸化物を直接ファサード表面に付着させる。その後、窒素酸化物は酸化プロセスによって少量の無害な塩に転換される仕組みだ。

塩分は雨が降ると、降水によりファサード表面から除去され、その後、雨水は自然界に循環される。なお、この雨水は植物用肥料としても使用可能だ。同プロジェクトでは、発生する雨水を採取して環境適合性を科学的に実証していく。

新型建物外装が夏季の冷房熱負荷を軽減

このファサードは空気浄化を行って健康促進に貢献するだけではない。外壁表面として建物に新しい未来志向の外観を与え、また外側ブラインドとして太陽熱から建物を守る役割を果たす。この新型建物外装により、夏季、建物の冷房の熱負荷は最大78%削減できるとの調査結果が出ている。

ファサードは後付け工事可能、しかも100%リサイクル可能

ファサードシステムの活用は新築にだけではない。既存の建物を省エネ改修する際にも利用できる。気候保護に貢献するこのファサードは100%リサイクル可能。それに加え、ペットボトルをリサイクルした再生繊維を素材とする新タイプのファサードも新開発されたばかりだ。研究者達はさらに繊維にマイクロソーラーを組込む研究にも取り組んでいる。

今後、このファサードシステムは持続可能な建築技術に取り組むアーヘン工科大学繊維技術研究所(ITA)が管理し、実際の条件下で様々なプロトタイプをテストするために利用される。

出典 写真 Copyright: ITA_Jan Serode