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日独ビジネスの正常化へ一歩 日本政府 長期滞在資格外国人の再入国規制を緩和  

日本政府は、在日ドイツ人を含めた日本在留資格のある外国人の再入国制限を9月から全面的に緩和する方針を固めた。これまで日本は在留資格のある外国人に対し、親族の葬儀や出産などの「特段の事情」により出国した場合を除き、再入国を認めていない。この措置に対しては、とりわけビジネス界から大きな不満が出ていた。今回の再入国制限撤廃は在日ドイツビジネス界の粘り強い交渉の結果でもあり、今後の日独のビジネス交流の正常化と、更なる発展の第一歩となりそうだ。

日本政府は現在、在日ドイツ人を含む、日本在留資格を有する外国人の再入国を著しく制限している。つまり、長期滞在資格があり生活の基盤が日本にあっても、一度日本を出国してしまうと、在留資格を失ってしまい再入国が不可能になってしまうのだ。一方、ドイツやEUは日本のコロナウイルス感染状況が危険な水準ではないとして、日本からの入国・入域は可能との見解を示しており、ドイツに長期滞在する日本人の再入国に特別な制限をしていない。この双方の外国人出入国に関する措置の違いについてドイツ政府は、外交における「相互主義」の原則に沿わないことを理由に、日本からの新規入国者に対しては制限を継続中である(ただし、日本政府が在日ドイツ人の再入国制限を緩和した場合、日本からの新規入国者の制限を緩和すると発表している)。

しかしながら、6月以降の社会経済活動の再開に伴って、制限の緩和を求める意見が多く寄せられてきた。例えば、在日ドイツ商工会議所(AHK)が、日本に進出しているドイツ企業を対象に6月に実施した調査によると、回答した企業の約8割が「日本の入国制限が大きな負担になっている」と回答、約4割は入国制限が原因で「自社ビジネスに損失が出る」と予想している。また、ドイツと深い関わりのある工作機械メーカー大手のDMG森精機も、エンジニアの往来ができず機械の稼働が困難だと述べている。このような企業の声を背景に、AHKは日本政府に入国制限の緩和を強く求めてきた。

こうした中、日本政府は9月から制限を大幅に緩和し、日本在留資格のある外国人の日本への再入国を認める方針を固めた。再入国にあたっては、日本人に対する措置と同様PCR検査などウイルス検査の実施や、ホテルなどでの14日間の隔離を求める意向だ。日本に在留資格がある外国人は約260万人で、政府は、制限の緩和に伴う往来の増加にも対応できるよう成田空港、羽田空港、関西空港での検査体制を現在の2.5倍の、1日当たり1万人規模まで増やす予定。

在日ドイツビジネス社会が一団となって粘り強く要望を続けた結果、ようやく日本政府が ”Sakoku”から門戸を開く。コロナ・パンデミックが原因で落ち込んだ、あるいは中断されたままであった状況を打開し、力強い再スタートを切ることができそうだ。そして、この日本政府の新しい方針によって、日独の「相互主義」の原則が正常化することになり、日独のビジネス往来の制限緩和への一歩となることと期待したい。

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