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メディカロイド社の医療ロボットが病院治療を変える

手術支援ロボットは長い間サイエンスフィクションにしか登場しないものだったのは過去の話。今や現実のものだ。この手術支援ロボットシステムを日本で初めて製品化・商業化したのが株式会社メディカロイドだ。川崎重工業とシスメックスの合弁会社として誕生した同社は、医療とロボット工学の分野で50年以上の経験を持つ。この2020年秋、ドイツNRW州に進出を果たし、ここを起点にヨーロッパ市場で事業を展開する。Medicaroid Europe GmbH代表の中西 徹弥氏が事業計画について説明した。

  • Medicaroid Europeの親会社は、2015年から支援手術ロボットシステムを開発している株式会社メディカロイドであり、そのコアコンピタンスは川崎重工業のロボット技術。この技術はメディカロイドにどのように生かさせているのか?

当社が開発したサージカルロボットシステム「hinotoriTM」は、腹腔鏡下手術という低侵襲治療の一つで執刀医の手術をサポートするもの。当社のロボットシステムは、高精密な内視鏡画像を3Dで映し出すビジョンユニットと、外科医の腕と同様に正確かつスムーズに動く冗長アームを備えている。またサージョンコックピットは、執刀医が最小部位を高精度で効率的かつ安全に手術を行えるようサポートする。

  • 手術支援ロボットの利用は日本で大きく普及している。自社製品のヨーロッパ市場でのポテンシャルは?

日本では、2012年から前立腺切除術が保険適用になったことから、ロボット手術が近年普及してきているが、ヨーロッパではロボット支援手術への診療報酬がまだ認められていない。世界中で行われる手術のたった4%のみがロボット支援によるもの、というのが世界の現況だ。しかし、病院ではロボットシステムの需要が近年大幅に増加している。株式会社メディカロイドは、川崎重工業の50年以上のロボット技術・ビジネスの経験をバックグラウンドとした、外科用ロボット市場に参入した世界初の企業だ。この点が当社のコアコンピタンスである。

  • 進出拠点としてはドイツNRW州を選んだ。何が決め手となったのか?

重要な要素のひとつにヨーロッパ全体へのアクセス性と、当社の技術バックボーンを構成するKawasaki Robotics社との緊密な協力、さらにはヨーロッパ全土に広がるビジネスパートナーとの緊密な協力関係がある。この理由からデュッセルドルフを選択した。デュッセルドルフはヨーロッパ有数のフライトハブであり、Kawasaki Robotics社が現地法人を置くノイスに近い。

  • 開発された手術支援ロボットはどのような役割を果たすのか?

当社のロボットシステムは執刀医の動きを正確に伝達するため、難易度が高い複雑な手術が可能となる。当社のロボットを「マスタースレーブシステム」としてイメージすると良い。ロボットが独自で動くことは決してなく、外科医の操作に従うだけである。具体的なロボットのタスクの例は臓器の吻合や結紮である。

写真 ©Medicaroid