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三菱電機と独リンデマン社 持続可能な金属リサイクルで協力合意

世界有数の金属加工機械メーカー ドイツ・リンデマン社と三菱電機との提携が良好なスタートを切った。持続可能な金属リサイクルに必要なインテリジェント駆動技術と制御技術で新たな標準を打ち立てることを目指している。現在、欧州の金属リサイクル産業は経済面での課題に直面しており、故に、このような新たな技術ソリューションは極めて重要な意味を持つ。

金属リサイクルに必要なシュレッダーとその後工程の装置はすべて大量のエネルギーを消費する。そのため、既存システムに、三相非同期モーター用の低メンテナンス型インバーターという新機能を追加することで画期的な可能性が開けてくる。つまり、このレトロフィッティング(後付け)手法により、エネルギー、摩耗、メンテナンスに係る費用を大幅に削減することができ、生産性と稼働率を向上させ、ひいては、システム全体の費用対効果を大幅に改善できるのだ。この改善の可能性を認識した三菱電機とリンデマンは協力し合い、共に市場開拓に乗り出した。実際、すでに複数のプロジェクトで成功を収めていることの背景には、金属リサイクル事業者がこのインテリジェント駆動技術のメリットをいち早く実感し、高い収益性を達成している事実がある。三菱電機のファクトリーオートメーション事業部長を務めるシュテファン・クナウフ氏は「このパートナーシップは、両社にとってだけでなく、業界全体にとっても大きな利益を意味する」と強調した。

ドイツ製スチールのリサイクル金属使用率は約50%

リンデマン社CEOのカール・グスタフ・ゲランソン氏は「金属リサイクル市場が提供するビジネスチャンスは実に大きい。従って、我々のこの提携が持つ重要性もまた然りである。」と誇らしげに語った。ドイツ第二次原料処理協会(BVSE)によると、既に2022年、ドイツ粗鋼生産のリサイクル鋼使用率はほぼ46%、つまり使用されたリサイクル鋼は約3,700万トンにまで上っている。

また、これに続くプロジェクトもすでに複数が計画、あるいは実施されている。リンデマン社は、スクラップ・金属加工業、スクラップ製造業、自動車産業、鋳物工場、製鉄所などの顧客向けに、機械やシステム、純正スペアパーツの設計・開発・製造を行っている。NRW州デュッセルドルフに本社を置き、世界中に20の支社と販売パートナーを持つリンデマン社は、分離、選別、粉塵除去を含む金属リサイクルのバリューチェーン全体を網羅し、EUの気候変動政策パッケージ「Fit for 55」(※)の要件を満たす企業なのだ。

※ = 2030年までに温室効果ガスの排出量を少なくとも55%削減する目標を掲げたもの

出典 写真コピーライト: Jirapong Manustrong