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企業インタビュー「ドイツ進出、成功の鍵は?- NRW州進出のリアルなビジネス」

シリーズ⑥ 日本を代表する「お〜いお茶」が世界市場に挑む (動画・日本語)

デュッセルドルフ市に拠点を設立し、ヨーロッパ市場で本格展開を開始した株式会社伊藤園。無糖緑茶のパイオニアとして、現地の健康志向や文化的多様性にどう応えようとしているのか。今回は、同社の欧州戦略と挑戦、そしてNRW州でのビジネス環境について詳しくお話を伺った。

世界40カ国以上で緑茶飲料を展開し、グローバルブランドとしての地位を築く株式会社伊藤園。シリーズ第6弾では、同社が2024年に設立したドイツ現地法人「ITO EN Europe GmbH」の取り組みに注目する。

伊藤園は、長年培ってきた製造技術と、ヨーロッパで近年注目され始めたお茶文化を軸に、抹茶やティーバッグ、インスタントパウダー製品を含め、ヨーロッパ市場でのプレゼンス拡大を図っている。ドイツをはじめ、フランス、スペイン、イタリアなど多様なマーケットに対応するため、現地嗜好や環境意識を反映した製品設計も実施している。

「観光客として日本を訪れた方々が、帰国後も伊藤園のお茶を求めてくれる」と語るドイツ現法代表の鈴木氏。こうした声を受け、欧州市場においても無糖茶を定着させるためのチャレンジが続く。

甘味飲料が主流のヨーロッパにおいて、伊藤園の無糖製品はユニークな立ち位置にあり、加えて砂糖税の導入や健康志向の高まりなど、追い風もある。健康や日本文化への関心を味方に、同社は今後ヨーロッパ内だけでも30カ国以上への拡大を視野に入れた長期的戦略を進めている。

以下はインタビュー動画(全編日本語)からの抜粋。

➖ NRW.Global Business Japan代表・川久保(以下、NGB Japan川久保)
まず、御社の欧州展開の概要について教えていただけますか?

➖ ITO EN Europe 鈴木氏
私たちは、「お~いお茶」を中心とした無糖茶を海外にも展開しています。これまで米国やアジアを中心に進めてきましたが、近年は欧州市場の可能性にも注目しています。特にドイツは、健康志向が高く、無糖やナチュラルな製品が好まれる傾向があり、我々の商品との親和性が高いと感じています。

観光客からの関心

➖ NGB Japan川久保
最近では日本文化に対する関心も高まっていますが、その影響はありますか?

➖ ITO EN Europe 鈴木氏
はい。抹茶の人気が非常に高くなっており、輸出量の約半分を占めています。また、日本を訪れる観光客が伊藤園のお茶を飲んで印象に残っていることが多く、ドイツでも「旅行中に飲んだことがある」と言ってくださる方が増えています。これは大きな追い風です。

ドイツの「お〜いお茶」はボトルが違う?

➖ NGB Japan川久保
ドイツで販売されている製品は日本と異なりますか?

➖ ITO EN Europe 鈴木氏
はい。ドイツでは紙を70%以上使用した環境配慮型の容器を採用しています。これはドイツの消費者の高い環境意識に対応するためで、現地マーケティングの観点からも重要です。

なぜデュッセルドルフ?

➖ NGB Japan川久保
ドイツ国内にも多くの都市がありますが、なぜデュッセルドルフを拠点に選ばれたのでしょうか?

➖ ITO EN Europe 鈴木氏
デュッセルドルフは日本企業が多く集まる都市として知られていますが、それだけでなく、180カ国以上の人々が暮らす多様性に富んだ都市でもあります。こうした文化的な受容性の高さやオープンマインドな環境は、我々のような「甘くないお茶」という新しい価値観を伝える上で非常に重要だと感じ、拠点に選びました。日本企業や日本文化に理解のある都市であり、多様な国籍の人々が暮らし、また文化的な受容性が高いことが決め手となりました。

NRW州やデュッセルドルフ市のサポート

➖ NGB Japan川久保
NRW州・デュッセルドルフ市からのサポートは?また、ドイツでの生活で驚いたことは?

➖ ITO EN Europe 鈴木氏
拠点設立は10年ぶりの海外進出で不安もありましたが、NRW州からは税制や市場、労働力に関する情報を的確に提供いただき、大変助かりました。生活面ではオンとオフの切り替えがはっきりしている点に驚きました。就業時間内に集中し、終業後はプライベートを大切にする文化は、効率向上にもつながっていると感じています。

インタビュー動画 (約16分)はこちらから>>
ITO EN Europe GmbH公式ホームページ itoen-europe.com