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風力発電 洋上風力発電拡大と水素のストレージでさらなる躍進 

風力発電はドイツ連邦政府の「気候保全プログラム2030」の中で重要な再生可能エネルギーのひとつとして位置付けられている。他の再生可能エネルギー同様、さらに拡大するだろう。ただ、陸上風力発電は住宅地との距離規制強化の影響を受けるため、特に注目されているのは洋上風力発電、そしてエネルギー貯蔵媒体としての水素活用だ。

海岸線を持たない州であっても、陸上・洋上風力発電事業で成功を収め、風力エネルギーの普及から利益を得ることができる。その好事例がNRW州だ。2019年上半期、NRW州は風力発電容量でドイツ4位になり、重要な役割を果たした。なお、ドイツは2038年までに石炭火力発電所の廃止を決定したため、風力発電はさらに重要さを増すと予想される。

NRW州の一部の地域では、風車が何キロメートルにもわたって稼働している。たとえば、ミュンスターラント地方、ヘルヴェーク沃野のゾースト地方、およびヴァールブルク沃野のオスト・ヴェストファーレン地方である。

そしてエッセンに拠点を置くRWE Renewables社は、RWEグループが進める再生可能エネルギー事業の「将来のパワーハウス」だ。今後は、再生可能エネルギーと革新的な貯蔵技術を推進するために、15億ユーロの投資を予定している。その中心となるのが洋上・陸上風力発電および太陽光発電だ。RWE Renewables社は洋上風力発電で世界第2位の規模を誇る。なお、同社は日本にRWE Renewables Japan合同会社を設立し、日本でも風力エネルギー拡大と気候保護に尽力している。

ドイツ連邦政府によると、北海およびバルト海での発電量は2030年までに20ギガワット時、2040年までには40ギガワット時まで増加する見込みで、また風力発電を利用した水素生産も増加すると予想されている。水素は今後、空の交通などでも代替エネルギー源として重要な役割を果たすとの期待が大きい。

ここで(風力発電の)設備製造に目を投じると、ここでもNRW州は強さを発揮している。たとえばボーフムに拠点を置くEickhoff Wind Power社がその一例だ。従業員数1200人、売上高3億ユーロを誇り、世界各国に風力発電設備用のギアボックスを供給している。風力発電業界に関する情報は、ミュンスターにあるIWR.de社の再生可能エネルギー国際経済フォーラム(IWR)のウェブサイトで閲覧可能だ。

NRW州はエネルギー州であり、また再生可能エネルギーのパイオニア的存在だ。今、ドイツを含め、全世界で洋上風力発電が注目される中、NRW州は海洋に接していなくとも、エネルギーシフトの課題とチャンスに果敢に取り組んでいる。

専門会議: 第12回NRW州風力エネルギー産業・デー 

会期:2020年8月27・28日 会場:ゲルゼンキルヒェン・科学バーク

水素技術は同会議での重要なテーマ。2020年6月、ドイツ政府が水素戦略を発表したことから、北西ドイツ、NRW州、バイエルン州が未来志向型貯蔵技術の将来計画を発表する予定。

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