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新型コロナワクチンの輸送 DHLは世界対応

記録的な速さで新型コロナワクチンが開発された今、世界は新たな課題に直面している。そう、如何に迅速かつ安全に何十億もの人々に供給するかだ。昨年DHLが公表したホワイトペーパーによると、今後2年間で世界中で必要とされる推定100億回分の新型コロナワクチンを輸送・供給するためには、最大20万個のパレット貨物と1万5000回の空輸が必要だという。

 

NRW州ボンに本社を置く大手物流企業DHLにとってワクチン輸送は無論初めてではない。DHLには世界最大級のライフサイエンス物流ネットワークがあり、全世界で9000人を超える訓練を受けたスペシャリスト、140を超える倉庫、120を超える積替センターを擁している。しかし、今般の課題として挙げられるのはサプライチェーンでの厳格な温度管理だ。輸送および保管中にワクチンの有効性を損なわないように、サプライチェーン全体でマイナス70°Cの温度を維持する必要があるため、 DHLはドライアイスを使用する。また、同社は保管施設のディープフリーザ(超低温冷凍庫)や冷凍倉庫の拡大強化に投資しており、新型コロナワクチンの全世界への流通にその貢献度が高まっている。DHLグローバル・フォワーディングはイスラエルへの輸送の他、日本へのワクチン輸送と国内での配送も委託されている。

DHLはまたホワイトペーパーの中で、現在、25ヶ国(総人口25億人)が新型コロナワクチンの低温輸送に必要なインフラを備えていると推定した。 DHLのカーチャ・ブッシュ最高商務責任者(CCO)は、将来的には新型コロナワクチンの安定性に関するデータ量が増え、またプラス2°C〜 8°Cで輸送・保管できる新種のワクチン開発に期待していると述べている。温度制限が緩和されれば、従来の生花や果物の冷却に使用している既存インフラを活用でき、 推定では約60ヶ国(総人口50億人)が既にこのインフラを備えているという。

またDHLはサプライチェーンに沿った持続可能性の確保・改善を目標に掲げ、再利用可能な特別梱包材を導入する予定。ここで不可欠なのは輸送ルートを正確に定めること。ブッシュCCOは「この史上最大のワクチン接種計画は、物流業界にとって前例のない挑戦。関係者全員が大きな情熱を持って、密に協力し、クリエイティブな解決策を一緒に見つけ出そうと努力している」と加えた。

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