安定性、社会的市場経済、グローバルなコミットメント、社会政策のバランス、そして革新力は、困難な時代でもドイツ経済の成功を支える重要な柱
ドイツとドイツ経済は2017年もヨーロッパで最も魅力的で最強の経済を維持し、国内および外国企業にとって価値ある拠点であり続ける。つまり世界的な経済・金融危機であっても、ドイツはあらゆる点で明るい展望を持つヨーロッパで最高の拠点として存続し続けることになる。ドイツ銀行による調査によれば、ドイツが先進国および欧州連合（EU）の中でも経済的な成功と主導的地位を享受できるのは、主に政治・経済の安定性に理由があるとのことだ。ドイツの経済的な成功の基盤は以下の要因にまとめることができる。
安定と成長指向のマクロ経済政策：ドイツの金融政策と財政政策は持続可能かつ長期的な方向性によって特徴付けられている。ドイツの国家債務は約70％と、他の先進国（イギリス90％、アメリカ105％、日本250％）よりもはるかに良い数字となっている。
成功モデルである社会的市場経済：ドイツではオルド自由主義（秩序自由主義）と社会的責任に基づいて活動する政治や経済組織や機関が存在する。それによりドイツの経済・社会秩序は危機の時代にあってもその柔軟性を証明し、多くのOECD先進国よりも成長の落ち込みを上手く食い止めることができている。
グローバル指向の企業：ドイツ銀行の調査では、「ドイツ特有の産業・企業構造がドイツ経済に極めて高い適応能力と開けた国際的視野をもたらしている」と強調されている。そして大企業の他に4500社の家族経営の中堅企業（その多くは「Hidden Champion」が非常に大きな役割を担っていると指摘した。
バランスのとれた社会保障制度：ドイツの安定性の背景にあるもう一つの重要な要因は、協調的な労使関係に基づく社会保障制度である。これは政治的安定性と経済的な成功に貢献し、またグローバル競争による負の社会的影響を最小限にとどめ、人材教育を推進し、職業上のリスクを取り除く役割を果たしている。
教育とイノベーション：国家、企業、市民の長期的展望に基づき、教育や技術革新に対して持続可能な投資を行うことにより、多くの課題に直面しながらも、失業率を低く抑えながら、成長と教育成果を達成できる。特にドイツの目覚ましい教育成果は特にデュアルシステムに負うところが大きい。
ドイツ連邦共和国は欧州のパートナー諸国と協力し、上記に記載したドイツ経済と社会の強みを生かしながら、グローバル化とデジタル化がもたらす課題とチャンス、またそれに伴う社会の変革に対して、今後も成功裏に対処できるだろう。
