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「SmartHospital.NRW」 NRW州が積極推進

未来の病院とは? その答えはNRW州の旗艦プロジェクト「SmartHospital.NRW」が導き出してくれるだろう。NRW州政府は「SmartHospital.NRW」に1400万ユーロを拠出し支援すると発表。

同プロジェクトの目的は医療産業での技術開発を支援し、企業に最先端の備えをしてもらうこと。特に人工知能(AI)やロボットの導入に向け、この投資は重要な役割を担う。

NRW州経済大臣ピンクヴァルトは、AIやロボットの導入により高効率化や診断サポート、またコロナ感染下では看護スタッフの負担軽減が可能になると期待している。そして、「革新的ソリューションをNRW州で開発・利用することで、NRW州を欧州随一の医療最先端拠点に発展させる。ただし、ここで重要なことは、医療の中心はあくまでも人間ということ。従ってAIを使ったシステムでは、個人権利の保護を念頭に設計する必要がある」と述べた。

「SmartHospital.NRW」プロジェクトの運営機関はNRW州AI専門家プラットフォーム「KI.NRW」だ。KI.NRW は人工知能・自動化推進を担っており、ボン近郊のザンクト・アウグスティンに立地している。同地はまた、「SmartHospital.NRW」プロジェクトのAIを担当するフラウンホーファー・インテリジェント分析情報システム(IAIS)研究所の拠点でもある。同研究所は欧州最大の応用研究機関「フラウンホーファー研究機構」でAI分野を専門とし、長年の経験・実績を有する。

また同プロジェクトは主軸の一端を担うエッセン大学医療センターなしには語れない。エッセン大学病院に加え、この地域で15もの子会社を運営し、既に2015年から医療現場でAI活用のテストを行っているのがエッセン大学医療センターだ。

人口動態の変化は日本にとってもドイツ/NRW州にとっても同様に大きな課題だ。医療技術の拠点エッセン市は、この課題解決に向け日本と長年に渡り協力関係を築いてきたが、数年前から福島県の郡山市と提携協定を締結し、緊密な相互交流を進めてきた。

NRW州に進出している650社余りの日本企業の中には、ロボットスーツ開発のサイバーダイン社、メディカロイド社などが名を連ね、すでに多くの日本企業がNRW州をベースに欧州事業で実績をあげている。また、進出日本企業が、そのノウハウをNRW州の科学技術力に大きな寄与をしていることに感謝したい。

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