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Pepper ドイツへ 介護施設の新しい同僚に 

言わずと知れた人型ロボットPepper。2か月ほど前からドイツNRW州南部に位置するジーゲン大学の研究室(XLAB)を住まいとしている

 

Dr.フォルカー・ヴルフ教授率いるジーゲン大学経済インフォマティクス・ニューメディア講座とヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)講座。同講座の研究者やマスター課程で学ぶ学生が、小さなPepperを使って大きな共同プロジェクトに取り組んでいる。それは、介護職員が忙しい時にPepperが高齢者と会話し、またパズルや音楽演奏をしながら一緒に過ごすというもの。そう、Pepperの介護施設での活用だ。

NRW州南部の町シーゲン・ヴァイデナウの介護施設マリエンハイム。ここはPepperが初任務に就いた場所だ。介護施設長と職員はPepperをとても歓迎したものの、入居者は始め困惑気味。ところがPepperが高齢者の年齢をわざと数十歳見当違いして答えると、あっという間に心が開けてきた。プロジェクトリーダーのDr.ライナー・ヴィーヒング氏は、「Pepperが楽しい存在だと気がつくと、すぐに興味を示し、受け入れる気持ちが高まる。経験上、高齢者はそうなのです。」と語った。Pepperが踊り出すと、その動きに習い、笑いながら腕を動かしたり、太極拳をしたり、、、。

ヴィーヒング氏は「介護スタッフをロボットで置き換えることは目的ではない。ロボットと人間はむしろ協働チームを形成して互いに補完するべき」とプロジェクトの趣旨を説明した。このため、介護スタッフはアプリを介してロボットを患者ニーズに素早く適応させる必要がある。ロボットは認知症患者と歩行困難者とでは、異なる行動を取らなければならない。「プログラミングやITの知識がない人でも、Pepperの操作と設定ができるようにすることが目標」と同氏。そして「ロボットが半自律的、あるいは一定の介護分野で完全に自律してサポート可能となるまで、共同研究をさらに前進させなければならない」と続けた。なお、将来の課題として重要になるのは、ロボットのプログラミングでなく、むしろ倫理、法律、社会的な問題であると言及した。

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