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NRW州発スタートアップ バルク品販売のデジタル化で急成長 潤沢なキャッシュフロー

バルク品のデジタルプラットフォームを運営するスタートアップSchüttflix社(本社:NRW州ギュータースロー)は、コロナ禍でも、何百万ユーロもの資金を確保することができた。ベンチャーキャピタルのスピーディンベスト社(本社:ウィーン)は、他のビジネスパートナーと共に、Schüttflix社に総額800万ユーロを投資した。

通常、スタートアップ企業の資金調達では、ビジネスモデルが機能するかどうかを「概念実証」で検証するために、初期段階のシード期に資金が提供される。しかし、Schüttflix社の驚くべき点は、2018年の設立以来、独力で、月間売上高を3000ユーロから50万ユーロまでに増やしてきたことだ。

スタートアップSchüttflix社は、アナログ中心でしかも収益性が高いバルク品の取引をデジタル化したことが成功に結びついた。同社は砂利、土、砂などのバルク品をデジタルで売買取引するプラットフォームを構築。これらバルク品は全て、安定したドイツの建設業界で高い需要があるアイテムなのだ。

砂利採石場などの供給側は、販売したいバルク品をデジタルプラットフォーム上でオファーする。一方、需要側の建設会社はモバイルアプリを用いてバルク商品を注文する。すると搭載されたソフトウェアが常に、最も安価なオプションを計算する。またバルク商品が確実に発注者に納品されるよう運送業者の手配も行う。現在、プラットフォームには450社の納品業社と450社の運送業者が登録している。

NRW州内の配送であれば、注文からわずか4時間以内で納品される。さらに価格表も一括管理しているので、個々の納品業社と小売店との価格比較が初めて可能になった。この革新的なビジネスモデルの成功により、Schüttflix社は自社のキャッシュフローでビジネス拡張の資金繰りを行っている。

Schüttflix社は、ドイツの大手解体会社(ギュータースロー)の経営者トーマス・ハーゲドルン氏と、かつてマイクロソフト社のグローバル出荷業務を担当していたクリスティアン・ヒュルゼヴィッヒ氏が設立した。 2人の創設者は現在、事業の国際展開を計画しており、2021年には近隣諸国に進出し、その後は、それ以外の国々にもビジネスを拡大する予定だ。

今回の投資担当者であるスピーディンベスト社のアメッツライター氏は「Schüttflix社へ投資するに当たり、バルク品のデジタル市場を精細に分析した。今、匹敵するビジネスはヨーロッパのどこにもない。」とコメント。約4億ユーロの運用資産を持つスピーディンベスト社は、およそ200社のヨーロッパ発のスタートアップに投資している。

スピーディンベスト社は、コロナ禍でも投資も続けている。「ウイルス危機の勝者はデジタル企業になる」と同氏は理由を挙げ、さらに「ベンチャーキャピタルとプライベートエクイティの魅力は増加し続ける。 危機的状況下でも非常に良い取引は可能だと、過去の事例が示している」と強調した。

このNRW州の事例も、クリエイティブなアイデアと強固なビジネス基盤を持つB2Bスタートアップが、危機の時代でも最高のチャンスを手中に収めることを表している。

公式ホームページ