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eモビリティ ”made in NRW" NRW州の超小型モビリティ戦略

マッキンゼーの最新調査によれば、2030年、ドイツ人全体の移動距離は約1兆800億kmとの予想。この1兆800億kmのうち約5000億kmは、マイカーに代わり、超小型モビリティ*を導入することでカバー可能との興味深い提案がなされている。

超小型モビリティ、特にファーストワンマイル( 目的地に到達する最初の区間)またはラストワンマイル( 目的地に到達する最後の区間)をカバーする電気小型車両は、今日の社会で最もホットなテーマのひとつだ。人口増加と大都市圏の拡大を背景に、特に大都市は、市内中心部の乗用車台数を減らし、より環境に配慮した革新的な近距離移動のコンセプトを模索している。

ドイツで自動運転が広がりを見せるのはおそらく2020年代の終わり頃になるであろう。そのため、ドイツ連邦政府は、これまで以上に環境配慮型の電気自動車の普及に力を入れている。2020年末までに電気自動車を100万台、2030年までに600万台までに増加させたい意向だ。これによりドイツはeモビリティの本拠地、かつ主要生産国に発展すると期待されている。

この流れはNRW州に追い風になる。NRW州首相ラシェットは、既に昨年から「eモビリティは、将来の持続可能で革新的なモビリティの基礎となる。NRW州は強力なeモビリティ拠点に成長しているが、さらなる成長の可能性を追求していく。我々は、NRW州をeモビリティのパイオニア、ブースター、およびトレンドセッターに発展させるという明確な目標を掲げている」と意気込みを表明していた。

NRW州北東部のミュンスター大学バッテリー研究所(MEET)は、2019年、ドイツ連邦政府が7億ユーロを投じる「バッテリーセル生産研究ラボ(FFB)」の拠点に選定された。NRW州も4000万ユーロを投入して自治体、企業、各種のeモビリティ・プロジェクトを支援し、サステイナブル戦略を推進している。デュッセルドルフのダイムラーやケルンのフォード等の大手自動車メーカーだけでなく、スタートアップも革新的な超小型モビリティ構想に向け、大学との協力を強化している。

代表的なプロジェクトに、アーヘンのe.Go Mobile の子会社が開発した「e.Go People Mover」がある。これは排ガスと騒音フリーの車両だ。今はまだドライバーが手動で操縦しているが、高レベルの自動運転用に設計されている。これらのプロジェクトは、「eモビリティー:メイド・イン・NRW」が加速中であることを如実に示すと、ラシェット州首相は力強くコメントした。

参考資料1   3  4  5

*超小型モビリティ:自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両