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NRW州は「ニューノーマル」への第一歩を踏み出す COVID-19危機下

接触制限および厳格な対策の実施より1ヶ月が経ち、NRW州では経済および社会活動の緩和および再活性化に向け、更なる対策を開始。ただし、感染第2波を回避するための条件が課される。

この決定とほぼ同時に、ガンゲルト(NRW州ハインスベルク郡)自治体のコロナ感染拡大に関する「ハインスベルク調査」の最終結果が公表された。ウイルス学者兼ボン大学医学部ウイルス学・HIV研究所所長ヘンドリック・シュトレーク教授率いるチームが行ったこの調査については注目が集まる中、一部、批判的なコメントもある。

ガンゲルト自治体を対象としたこの調査からは、多数の無症侯感染者の存在、また感染者致死率および未知の感染者数(統計上把握されていない感染者)について信頼性ある知見が得られている。ガンゲルトでは、感染者1人あたりの死亡者数、いわゆる感染者致死率は0.37である(通常のインフルエンザの感染者致死率は約0.1)。ただし、この数字をそのまま単純にドイツ全土に当てはめることはできない

ドイツ16州が決定した緩和策を実施するにあたり、感染者と死亡者数、および症状経過のより正確な把握がひとつの前提条件となっている。そのため、連邦政府と16州は、一地区での新規感染者数が規定を超過する場合(7日間の累積で10万人あたりの感染者数が50人以上)、市郡は即座に再び厳格な対策を実施することで合意した。

NRW州では 5月4日より、美容院、フットケア、美術館、展示会、ギャラリー、宮殿および古城の再開が認められている。 5月7日より、公共・民営の屋外スポーツ施設や公共スペースにおける身体接触を伴わないスポーツ活動は、いつでも再開できる。また5月11日より、全店舗、休暇用宿泊施設、フィットネススタジオ、ダンススクールおよび屋内スポーツ施設、さらに5月20日より屋外プールも再開が認められる。

NRW州政府は4月20日から慎重かつ段階的な学校再開の準備を行い、明確な基準に基づき、これを徐々に実施している。また5月11日より、大学では対面授業が許される。また5月30日より、密閉空間での身体が接触するスポーツ、並びに屋内プール、スパ、映画館、歌劇場、コンサートホール、見本市、および児童・青少年・アマチュア競技の再開が認められる。

当然NRW州でも社会的距離の規則は引き続き義務化される。また、(特定の場所での)マスク着用の義務、並びに大規模イベントの禁止(お祭り、移動型遊園地、フェスティバル)も引き続き適用され、接触制限も原則として維持される。ただし、職業や営業上の集会や親戚との面会に関しては、例外措置が拡大される。

ドイツ人の日常生活に欠かせないサッカー・ブンデスリーガは5月15日に再開される。連邦政府と州政府は無観客での再開で合意した。試合は3月中旬から中断されているため、クラブ側は、6月30日までの9試合日で今シーズンの残り試合をすべて消化すべく準備を進めている。この再開決定の前に、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)は、連邦政府と連邦州に対して包括的な衛生・安全計画を提示していた。

NRW州とその他の連邦州は、このように、緻密に、的を絞りながら段階的な緩和を実施し、社会・経済活動の慎重かつ制御可能な再開を目指す。NRW州は新しいルールの施行に伴い、新型コロナウイルス・パンデミック時代の「ニューノーマル」に向けて重要な一歩を踏み出した。ただし、常に必要な慎重さと公衆衛生を伴っての一歩だ。

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