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私とドイツ・NRW (Vol.3 後編) 現代音楽の聖地ケルンで培われた芸術の尺度

ドイツに駐在した経験や思い出を語るシリーズ3回目〜作曲家の三輪眞弘氏(情報科学芸術大学院大学学長)の後編。ライブ演奏とコンピューターシステムのインタラクティブな作品の創造を目指し、実験を重ねた日々。芸術には哲学的社会的役割が託されている、との尺度が培われた。全文は画像満載でこちらからも閲覧可能

 

1986年、27歳でデュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学(Robert-Schumann-Hochschule Düsseldorf:RSH)に転入学した僕は、その後もさらにコンピューター音楽を追求していきました。

単なるコンピューターを使った音響合成ではなく、コンピューターを介した音楽表現と作曲手法を模索していたのです。大学の備品だったフェアライト社(Fairlight)のボイストラッカー(Voicetracker)というピッチ検出装置に昼夜を問わず向き合い、実験を重ねたこともしばしば。

目指すものもはっきりしてきました。それはライブ演奏とコンピューターシステムのインタラクティブな作品の創造。いくらテクノロジーが発展しても、録音された音波だけを聞くのではなく、実際に生の音を身体で感じ取ることこそ「音楽体験」だと考えるようになったからです。そこにはロックバンドという僕のルーツも関係しているのかもしれません。続き>