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"必要は発明の母" NRW州の「隠れたチャンピオン」企業が呼吸保護マスク大量受注

ドイツに「必要は発明の母」という、ことわざがある。 新型コロナ感染症(COVID-19)との戦いでは、医療物資、検査キット、医薬品、換気設備、防護メガネ、防護服、消毒剤、マスクなどが世界的に不足している。NRW州の中堅企業DFA ビーレフェルト社は、自動車産業向けの音響材料専門メーカーとして知名度が高い。 しかし、現在、同社は工場を一時的にマスク生産に転換している。

1856年にゲルコ・ヴェルケ・ビーレフェルト(Gerko Werke Bielefeld)という社名で設立されたDFA ビーレフェルト社は、防音部品の「隠れたチャンピオン」だ。オストヴェストファーレン・リッペ(OWL)の拠点から、ドイツ大手自動車メーカーに世界トップレベルの製品を供給している。危機的状況下で企業が成功するためには、「隠れたチャンピオン」としての特性、つまり柔軟性、スピード性、そして創造性が必要不可欠だ。

これらの特性をまさに今、上手く活用しているのがDFA ビーレフェルト社だ。世界中の自動車工場の多くが生産を停止する中、経営陣と従業員が一致団結し、生産体制をすばやく現状に適合させ、マスク生産に切り替えた。この努力が実り、同社はNRW州政府から1700万ユーロに相当する2900万枚のマスク(Sono MN:FFP2規格認定外)を受注した。

会社一丸となったこの取り組みには、NRW州の政府からも市民からも感謝のことばが寄せられている。またDFAビーレフェルト社にとっても、この困難な時期での受注は、危機を乗り越える糧となる。マスク生産は 2020年7月まで継続される予定で、この功績は同社の歴史に刻まれるであろう。

医療物資の大幅な不足はひとつの示唆を提示した。つまり、生命維持に必要不可欠な製品の生産は、コロナ感染症など危機的状況が発生した場合、やはり、早急に必要としている国内や地域内で行うべきということだ。このことは、ドイツやヨーロッパ市場において、日本の医療機器メーカーなど進出外国企業が大きなチャンスを持つことも意味している。

米国や日本を始め、各国の製薬や医療機器メーカーがNRW州に子会社を設立している。例えば、米国からは3M社、ジョンソン&ジョンソン社、ストライカー社、サーモフィッシャー社など、また日本からはキヤノンメディカル社、島津製作所、日立ハイテク、興和、富士フイルム、サイバーダイン社など世界のリーディング企業が数多くNRW州に進出している。

出典 写真コピーライト DFA Bielefeld GmbH