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ヴュスト新NRW州首相 気候変動対策を強化 

去る10月27日、ヘンドリク・ヴュストがNRW州の新州首相に就任した。新首相は前任のアルミン・ラシェットと同じキリスト教民主同盟(CDU)に所属し、2005年の州選挙にて初当選を果たして以来、4度にわたって州議員に選出され、2017年からは同州交通大臣を務めた。

ヴュスト首相は、NRW州議会での最初の演説で、グローバル化や気候変動などの課題に果敢に取り組み、新しいスタートを切る決意を明確に発した他、産業立地および学術拠点であるNRW州は、今後、発展とイノベーションを推進するモデル地域として先駆的な役割を果たすべきであると強調した。

その役割を担うために、NRW州は脱炭素を2038年から2030年に前倒して達成すべきとし、ここに、新州首相の政策方針の並々ならぬ決意が明らかになった。

NRW州では、例えばCO₂排出量が1990年比で45%減少するなど、エネルギーおよび気候政策の分野で、すでに大きな成果が出てきている。しかし、2045年までにカーボンニュートラルを達成するためには、現在の取り組みでは不十分だというのが大半の専門家による見解だ。そのため、NRW州政府は、気候保護法の野心的な目標を達成するために新たな政策「エネルギー供給戦略2.0」を策定し、公表する必要がある。

ヴュスト新州首相は、脱炭素を実現するためには、まずは、計画策定・許認可手続きを迅速化し、そして再生可能エネルギーと電力網の普及・拡大に取り組むことが肝要とし、手続き迅速化のための阻害要因を取り除く必要性を訴えた。

官僚主義を撤廃することで、活力溢れる発展やイノベーション、成長や雇用を促す多様な可能性を生み出していく方針だ。46歳の若き首相は、とりわけ計画策定・許認可手続きの迅速化、奨学金制度の拡充、コンペ形式の助成プログラムやスケールアッププログラムの強化、更には、デジタル戦略、移動体通信協定を通じたインターネット環境整備、水素ロードマップに基づく水素利用などを未来志向プロジェクトとして推進する意向だ。

また、イノベーションこそが現在の大きな問題の解決策であると、新首相は強調した。NRW州はイノベーションと未来技術の進展の前に立ちはだかる課題に対応し得る、十分な環境と能力を有していると、自信を示した。

NRW州には欧州で最高レベルの科学技術・大学機関が集積しており、人工知能、スーパーコンピューティングと量子コンピューティング、バッテリーとストレージ技術、医療研究などの分野で、ノウハウをさらに拡大する可能性に溢れた未来技術志向の地だ。

出典1  2    写真 © Land NRW