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デュッセルドルフ大学病院 欧州初の5Gクリニックに 州都デュッセルドルフ 5Gへ躍進

「Giga for Health」というキャッチフレーズのもと、NRW州都デュッセルドルフにヨーロッパ初の5Gメディカルキャンパスが誕生する。その実現に向け、デュッセルドルフ大学病院はボーダフォンと協力。スムーズなデータ転送を可能にするため、院内に独自の5Gネットワークを構築する。

このプロジェクトは「5G.NRW」イノベーション・コンペの枠内で助成される。NRW州経済省が実施したこのコンペティションの助成総額は2600万ユーロで、デュッセルドルフ大学病院の「Giga for Health」は、中でも最大プロジェクトだ。

5G ネットワークの適用領域として救急医療のモニタリングパッチが考えられる。ハイテクのモニタリングパッチは、患者のバイタル信号をリアルタイムで中央モニタリングステーションに送信する。また5Gネットワークはコンピュータアシストの脳腫瘍手術等にも利用できる。脳の非常に複雑な3D構造の仮想投影が、より詳細な分析を可能にするからだ。

このイノベーションプロジェクトにより、デュッセルドルフ大学病院は研究や教育の発展を加速させ、また最先端データ通信でのサポートを実現する。デュッセルドルフ大学病院の医長 兼 理事会長のフランク・シュナイダー教授は「迅速なデジタル技術は命を助ける。“Giga for Health”プロジェクトの助成は病院内のデジタル化に大きく貢献する」と、その重要性を強調した。

完全な5Gカバレッジを実現するために、ボーダフォンはRedBoxという新通信システムを導入する。5Gアンテナとリアルタイムデータセンター(モバイルエッジコンピューティング)を統合したシステムだ。データセンターは小型化されているため、収集されたデータは携帯電話基地局で直接処理される。このリアルタイムのデータ処理は高速且つ正確に行われるので、大きなポテンシャルを持ち、またデータ処理は暗号化されるため、安全性が向上する。

「センターコネクテッドインダストリー(CCI)」というアーヘン工科大学が同様に進める5Gプロジェクトと共に、この大学病院での先駆的プロジェクトはNRW州の5G技術推進の要だ。ピンクヴァルト州経済大臣は「5G実現に向けて先駆的役割を担うクラスターがNRW州に形成される」と大きな期待を寄せた。

「Giga for Health」は、間違いなく医療のデジタル化に大きな可能性をもたらすだろう。州都デュッセルドルフを中心にNRW州には日本企業650社余りが進出するEUのビジネス拠点。通信産業でリードするデュッセルドルフ の5Gへの果敢な取り組みは日系企業にもプラスになるはずだ。

参考資料1  2  3  4