Jump to Navigation Jump to search Jump to Content Jump to Footer

NRW.BANK.ifo景況感指数 2022年6月

NRW州の経済は6月著しく悪化した。現況評価は若干悪化した程度にとどまったが、今後6ヶ月間の先行きへの期待指数が大幅に低下。NRW州の経済にとって、迫り来るガス不足は深刻な懸念事項であり、今後の展開も予断を許さない。

※ このリポートは7月初旬に公開されたものである。

6月のNRW.BANK.ifo景況感指数は4.0ポイント減少し、3.1を記録した。この結果、2ヶ月連続で上昇していた景況感指数は頭打ちに。この下降は先行きへの期待感の悪化によるものであり、期待指数は約2年余ぶりで最低水準にまで落ち込んだ。一方、現況評価は若干の悪化に留まり、また企業はコロナ規制の暫定的撤廃と、それによる消費分野でのキャッチアップ効果の恩恵をまだ受けている。

エネルギー価格の高騰とガス不足危機は、NRW州の経済にとってより深刻な懸念材料となっている。6月中旬、ロシアがバルト海を経由する天然ガス・パイプライン「ノルドストリーム1」の供給量を50%以上削減したため、冬場に向けガスを十分に備蓄することが非常に困難な状況に陥った。これに対応すべく、ドイツ政府は3段階の緊急調達計画の2段階目にあたる「非常警報」を発令。もしロシアからのガス供給が完全にストップするようなことがあれば、最高レベルの3段階目「緊急事態」を発令し、ガスの厳しい配給制度を導入する可能性がある。その影響を最初に受けるのは産業界だろう。生産が方々でストップし、ドイツが深刻な不況に陥る。特にNRW州の二大基幹産業である化学と金属メーカーにとってガスの安定供給は死活問題だ

<製造業>
景況感は大きく低下した。企業の現況評価が若干悪化し、さらに下半期の見通しについても、より悲観的な見方が目立った。特に化学業界では先行きへの不安感が増した一方、電機業界のそれは上昇した。

<卸売・小売業>
景況感が著しく悪化。現況への満足度が大きく低下し、さらに期待指数は2020年4月以来の最低水準にまで落ち込んだ。この景気低迷で卸売業により濃くその影響が出ている。

<サービス業>
現況評価が僅かながら上昇。一方、期待指数は著しく減少。ホテル・レストラン業者の景況感は大きく落ち込んだ。しかし、これは前月に見られた高揚感が落ち着き、平常化されたためである。

<建設業>
景況感の上向き傾向が継続。現況を「やや良い」と評価。また先行きへの期待感も改善へと転じたものの、依然として目立っているのは悲観的な見方である。

出典