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量子コンピュータに必須な安全な暗号方式 

米国立標準技術研究所(NIST)がNRW州発サイバーセキュリティを採用。革新力と研究力は、ルール地方とNRW州のDNAだ。量子コンピュータ時代のセキュリティリスクへの備えが課題となる中、NRW州ボーフム市は量子コンピュータのサイバーセキュリティ分野においてこのDNAを改めて発揮した。

米国立標準技術研究所(NIST)は、量子コンピュータが暗号技術の安全性を脅かす可能があることをいち早く認識し、2016年、量子に対し高い耐性を持つ暗号の新標準開発を目的としたコンペを立ち上げた。

新たな対量子暗号のコンセプトに応募した世界各国の研究グループの中から、この度、勝者4グループが選ばれた。全応募コンセプトのうち、3つのコンセプトは、ルール大学ボーフムのエクセレンスクラスター「大規模攻撃時代のサイバーセキュリティ」(Cyber Security in the Age of Large-Scale Adversaries)の研究グループが提案したもの。

ITセキュリティ分野ではドイツ唯一のエクセレンスクラスターである上述クラスターは、ドイツ研究振興協会(DFG)から約3000万ユーロの助成金を得ている。目的は大規模かつ国家レベルの攻撃に対して、持続可能なITセキュリティを確保すること。今般の世界レベルでの標準化コンペでの勝利により、量子耐性暗号化が今後大きな役割を担っていくことがより明確になった。このエクセレンスクラスターの運営母体は、ITセキュリティ研究機関ホルスト・ゲルツ研究所(2002年設立)だ。同研究所は欧州最大かつ最初の機関で、コンピュータサイエンス、電気工学、情報工学、数学、人文科学、社会科学分野の総勢160名の研究者が、ITセキュリティ全領域を網羅する研究をしている。

なお、同分野を代表する下記のような企業がボーフムに拠点を置いている。

<エスクリプト社>
NRW州に拠点を置く約400社のITセキュリティ企業のうち、ボーフム市で創業し、自動車向けサイバーセキュリティ分野をリードしているのが「エスクリプト社」。同社は現在、ボッシュ社系列のイータスの傘下に入り、ブランド名「エスクリプト」でグローバルに活躍している。ボーフム市内に、今、新研究開発センターを建設中だ。

<フォルクスワーゲン・インフォテインメント社>
2014年にフォルクスワーゲン社の100%子会社として設立され、現在は同社グループのソフトウェア専門子会社CARIAD(カリアド)社の傘下にある。800人以上の従業員が、車の「次世代コネクテッド技術」にボーフム市の拠点で取り組んでいる。

<DIGITAL.SICHER.NRW>
産業分野でのサイバーセキュリティに取り組むNRW州コンピテンスセンター。NRW州内中小企業のデジタル・セキュリティの段階的強化を目指している。ITセキュリティに関する資料や情報を具体的かつ実用的に、無料で提供。シュミックラー代表はボン市とボーフム市をNRW州におけるITセキュリティ重要拠点と位置付けている。

出典 1  2  3  4  5   写真コピーライト:NCIA- NATO Communications and Information Agency