一般家庭の負担軽減を図るために再エネ賦課金廃止を盛り込んだ再生可能エネルギー法(EEG 2023)の改正と共に、複数のエネルギー政策関連法の改正案が成立した。今後は太陽光発電の設置面積が大幅に増え、小型水力発電(500KW未満)も引き続き推進される。また、風力発電用地として国土の2%の利用を全国的に義務付けした他、太陽光発電の設置用地として路肩や草地などにも対象を広げ拡大する計画だ。さらに、早ければ2023年には400MW規模の革新的な水素製造技術に関する入札が実施され、エネルギーシフトがさらに加速して行くだろう。
ドイツ連邦経済・気候保護省のハーベック大臣(緑の党)は「この改正法案の可決は、まさに必要に迫られ押し通したもの。気候目標の達成、そしてエネルギーの脱ロシア化、さらには雇用創出のためだ。ドイツを”新たなエネルギー政策の未来”へ導くことを目指している」と述べた。
一方、連立政権を組む三党間で必然的に妥協があったのも事実だ。即ち、2035年までにエネルギー部門全体としてCO2排出ゼロを実現、という提案が頓挫したのだ。自由民主党(FDP)の圧力により、13年後(2035年)100%のグリーン電力という目標は断ち消えた。
NRW州に目を投じてみよう。先般、州政府は一次エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合が前年比5.8%プラスになったと発表した。中でも風力発電、太陽光発電、バイオマスが依然大きい割合を占めている。また市場マスターデータ登録(MaStR)の最新データによると、NRW州の再生可能エネルギー発電設備容量は現在約13GWに達し、設備容量ではドイツで最もグリーンな州ランキングで第3位につけた。
6月末に発足したNRW州の黒緑連立政権*は連立協定の中で、風力発電の住宅地との最小離隔距離ルールを廃止して、2027年までに少なくとも1000基の風力タービンを増設し、容量を5000〜7500MWに拡大する目標を掲げている。立法期間中となる今後5年間で、現在の風力発電量を少なくとも2倍にする必要があるという。
現在のエネルギー危機に鑑み、再生可能エネルギーの設備やインフラを手がける国内外メーカーには大きなチャンスが巡って来ている。是非、NRW.Global Business Japanに問い合わせを!日本企業を全力サポート。
*黒=キリスト教民主同盟(CDU)/ 緑=緑の党
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